目次
バリ取り機とは、製品・部品にできた「バリ」を取るための機械です。
この記事では、バリ取りの作業効率を高めたいと思われている方に向けて、バリ取り機の種類や選び方について解説します。
バリ取り機にはさまざまな種類があり、種類ごとに得意な分野も変わります。適したバリ取り機を選べるように特徴を知っておきましょう。
バリについて
「バリ」とは、加工製品にできるエッジのことです。樹脂や金属を加工して成形すると、角の部分に少し出っ張った部分ができることがあります。本来の製品の図面には記載されていない、不要な出っ張りです。
1950年頃までの日本では「カエリ」とも呼ばれていたので、カエリという名前でご存じの方もいるかも知れません。
バリは切削・研削・せん断・鋳造など、さまざまな加工段階で発生する可能性があるエッジです。
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バリ取りをする理由
それではなぜバリを取らなければならないのでしょうか?バリ取りには次のような重要な役割があります。バリ取りをする3つの主な理由について解説していきます。
理由1:使用者・操作者の怪我を防ぐ
バリは部品の端から出ている鋭いエッジであるため、ふいに触れてしまうと怪我をしてしまう恐れがあります。バリのある部品に触りながら機械の組み立てを行う方はもちろん、機械の使用者や操作者が触れることもあります。
特に金属部品にできたバリは固く、場合によってはかなり鋭く尖った形状になることもあるため危険です。
そのためバリ取りによって使用者や操作者の安全を確保します。
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理由2:機械の故障を防ぐ
機械に組み込まれる部品にバリがあると、機械がスムーズに作動しなくなることがあります。また機械の作動中にバリが取れ、異物となることで誤作動や故障の原因になることも考えられます。
バリ取りは部品の品質はもちろん、部品が使用される機械の品質を担保する上でも重要な作業です。以上のように、機械の故障や不具合を防ぐこともバリ取りの役目となります。
理由3:組み立て性の低下を防ぐ
部品同士を組み立てる際にバリがあれば、部品は組み立てられません。たとえば穴に棒状の部品を入れる際に、棒状の部品にバリがあれば穴に入らなくなってしまうでしょう。
機械の部品は、部品同士がピタリと組み合わさるように設計されていることがほとんどです。その後の組み立て性の低下を防ぐこともバリ取りをする理由のひとつとなります。
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バリ取り機を導入する理由
理由1:生産効率が向上する
バリ取り機を導入する大きな理由となるのが、導入によって生産効率が大幅に向上することです。
手作業でのバリ取りにはかなりの時間がかかります。大量の部品をつくらなければならないなら、バリ取りだけでも多くの労働力を消費するはずです。
バリ取り機を導入すれば手作業は必要なくなり、バリ取りをすべて機械が行ってくれます。機械は休憩がなくても自動で働き続けることが可能です。そして余った分の労働力を他の作業にあてれば、生産効率は大幅に向上するでしょう。
理由2:品質が安定する
バリ取り機を導入することで、製品の品質を安定させられることも理由となります。
手作業でのバリ取りには高い技術力が必要です。そして技術力のある担当者が行ったとしても、寸分の狂いなくバリ取りをすることはほぼ不可能と言えます。
しかし機械であれば一定の品質を確保できるため、担当者の力加減や力量により品質が左右されません。
機械を導入することは、生産効率向上だけでなく品質の安定化にも貢献します。
理由3:工場内の環境が良化する
バリ取り機は工場内の環境を良化するためにも役立ちます。
手作業でバリ取りを行っている工場では、粉塵が発生して環境が悪化していることもあるのではないでしょうか。
バリ取り機の中には、付帯設備として集塵機を取り付けるものがあります。バリ取りにより発生する粉塵を工場内に飛散させることなく、クリーンな環境でバリ取りを行うことができます。
以上のようにバリ取り機の導入により、工場の環境が良くなる効果も期待できます。
ここまで、バリ取りの重要な役割について解説いたしました。次に、バリ取りを行うために、バリ取り機の導入をおすすめする理由についてご紹介します。
板金加工におけるバリ取り機の種類
バリ取り機にはさまざまな種類があり、種類により得意な分野や特徴も異なります。加工したい製品や加工方法に適した機械を選ぶことができれば、バリ取り作業が今までよりも格段に楽になるはずです。
自社に適したものを選ぶためにも、それぞれの種類ごとの特徴を把握しましょう。
種類1:ローラータイプのバリ取り機
ローラータイプのバリ取り機は、古くからあるタイプのバリ取り機で見かける機会も最も多いです。4本程度のローラーを用いて、ワークの表面を削り取ることで、バリを除去します。
比較的安価に購入できるため、導入がしやすいメリットがある反面、表面処理鋼板や、バリ面に成形加工があるワークには適さないというデメリットもあります。
種類2:ボールで潰すタイプのバリ取り機
ボールで潰すタイプのバリ取り機は、鋼球でバリを叩いてつぶすことでバリを除去します。
表面が削られないため、ローラータイプでは加工が難しいような、表面処理鋼板や養生シートを貼ったままのワークを加工することが可能です。
デメリットとしては、叩いたバリが潰しきれず二次バリになることがあることや、上下の圧力調整が必要なことなどがあげられます。
種類3:洗車機ブラシタイプのバリ取り機
洗車機ブラシタイプのバリ取り機は、名前の通り洗車機のようなブラシでバリを除去するバリ取り機です。適応できるワーク形状が最も多く、R面取りも可能、成形加工後ワークのバリも除去することができます。
デメリットとしては比較的高価であることが挙げられますが、加工可能なワークが多く対費用効果が優れた理想的なバリ取り機のタイプといえるでしょう。
バリ取り機の選び方
バリ取り機を導入するにしても、バリ取り機にはさまざまな種類があります。そこで押さえておきたいのが選び方のポイントです。バリ取り機を導入する際の4つの選び方を解説します。
選び方1:加工したい製品から探す
まずは加工したい製品から探す方法です。
バリ取り機の種類によって、得意な素材やワークの形状は変わります。たとえば金属素材が得意なもの、樹脂素材が得意なもの、成形加工がないワークが特異なもの…などがあります。加工したい製品から探すとわかりやすいでしょう。
バリ取り機を導入したとしても、加工したい製品に不適合な種類では導入のメリットは得られません。加工したい製品素材や形状に対応したバリ取り機を選ぶことがまず大切です。
選び方2:作業内容から探す
続いては作業内容から探す方法です。
バリ取り機は種類によって得意とする素材だけでなく、作業内容も変わります。ブラシを搭載している種類やビーズを照射する種類の機械では、バリ取りとともに表面をなめらかにする作業も行えます。レーザーでバリ取りをする種類のバリ取り機も同様です。
またコンベアベルトが搭載されているタイプでは、自動でバリ取りを行えるため、大量生産の現場に適します。
バリ取り機の種類選びで迷ったら、作業内容から最も適したタイプを選ぶのもひとつでしょう。
選び方3:バリ取り機の価格から探す
価格からバリ取り機を選ぶ方法もあります。
バリ取り機は種類や型より価格が大きく変わります。加工したいワークや素材によっても適切なバリ取り機は異なるものの、同時に価格も変化します。
予算に見合うバリ取り機を選んで、導入に負担がかからないようにすることも必要でしょう。
選び方4:バリ取りに関する悩みから探す
最後にバリ取りに関する悩みから機械の種類を選ぶ方法です。
たとえば粉塵が多く工場内の環境が悪化しているのであれば、粉塵の少ないバリ取り機が適しています。労働時間に問題を抱えているなら、短時間でより多くのバリを取れる機械がふさわしいでしょう。
もしバリ取り作業で問題を抱えているなら、問題を解消してくれそうなバリ取り機を選ぶと生産効率が向上するはずです。まずは自社の問題を洗い出して、適したバリ取り機を探してみてください。
バリ取り機の種類選びは慎重に
今回は、バリ取り機の種類と選び方について解説してきました。
バリ取り機を導入すると生産効率が向上するだけでなく、製品品質の安定化、人手不足の解消も目指せます。また粉塵が舞いにくいこともメリットのひとつです。
しかしバリ取り機は、種類によって得意な分野も異なります。導入によってメリットを得るためには、自社に最適なバリ取り機を選ぶようにしてください。
バリ取り機の導入ならオーセンテックまでぜひ一度ご相談ください。
お客様のお悩みやご予算に応じて、最適なバリ取り機をご提案させていただきます。
オーセンテックのバリ取り機
現在の工場現場は、生産性向上や品質維持、人材不足など、さまざまな問題を抱えています。多くの工場に共通する原因は、現在でも人の手による作業が多いことです。
私たちは手作業をなくし、人的負担を軽減、各作業を効率化することを目的として、「バリ取り機」をはじめとした省力化機械をご提案しています。
オーセンテックのバリ取り機が選ばれる理由
バリ取り機を導入することで、工数が削減され、人手不足や生産性の伸び悩みをいった問題の解決につなげることができます。
私たち、オーセンテックが提供できる強みは大きく2つあります。
圧倒的な仕上がり品質とスピード
弊社が独自に開発したブラシ回転機構と研磨ブラシにより、優れた研磨力とエッジとワーク表面の仕上がり品質の高さを兼ね備えたバリ取り機が誕生しました。
それにより、バリ取りのスピードは、人の手で行うよりも5~10倍速くなり、さらにムラのない安定した品質が実現可能になりました。
初心者にも安心の使いやすさ
バリ取りのスピードや仕上がりだけではなく、操作パネルの使いやすさやメンテナンスのしやすさにもこだわっています。 操作パネルは直感的に操作できるタッチ式を採用、操作や設定変更などの作業が容易に行えるようになっています。
また、メンテナンスのしやすさにもこだわっており、お客様自身で部品交換などの簡易なメンテナンスを行えるよう機械設計をしています。文書や動画のメンテナンスマニュアルは初心者の方でもわかりやすい内容となっています。
実際に使用する方の視点にたった使いやすさを実現しています。
バリ取り機の導入事例
オーセンテックのバリ取り機を導入して、作業効率の向上、人手不足の解消などに繋がった事例をご紹介します。
バリ取り機の導入をご検討の方は、ぜひご相談ください
オーセンテックでは、ヒアリングやサンプル加工などを通じ、お客様の課題と解決方法を明確化し、お客様のお悩みやご予算に応じて、最適なバリ取り機をご提案させていただきます。
バリ取り機の導入をご検討の方、ご不明な点などをお持ちの方は、オーセンテックまで一度ご相談ください。
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この記事の著者
オーセンテック株式会社
オーセンテック株式会社では、「お客様の声を「アイデア」に お客様の笑顔を「力」に「ものづくり」に貢献する会社でありたい」という企業理念のもと、製造現場の生産性向上・人手不足・品質の安定化・環境改善を実現させるため、手作業をなくすための機械(バリ取り機や板金洗浄機など)を開発・販売・メンテナンスしております。
オーセンテック編集部では、これまでの数多くのバリ取り機、洗浄機の導入事例・サポート経験を活かして、バリ取りや洗浄といった板金加工現場でなくてはならない工程・作業に関するお役立ち情報を発信しています。