007

バリの発生要因


バリはどのようにして発生するのか?

 

ここでは、板金加工の枠を超えて一般的な金属加工のバリの発生原理を整理してゆきます。

  • 板金特有のバリは、体系的に、どのように整理できるのか?
  • 周辺部品のバリは、どのように発生するのか?

を知って頂くためのページです。

加工によって発生するバリについて

金属加工は、言うまでも無く種々の加工エネルギーを利用したものです。その利用エネルギーと加工性原理および加工方法をまとめると下図 のようになります。

エネルギー加工による加工性原理は、等方性加工と異方性加工 に分けられます。加工エネルギーの作用面、つまり仕上面が等方向に拡がって加工が進展するものを等方性加工と呼びます。

この加工性による加工法は、高い加工精度が得にくくなりますが、 バリの生成は少なく、むしろ丸みをもったエッジが形成されやすくなります。

他方、加工エネルギーの作用面が一方向にのみ進んで加工が進行するものを異方性 加エと呼びます。この加工性に伴う加工法は高い加工精度が得やすいですが、逆にバリの生 成が不可避となります。

したがって、バリ生成を抑制して若干のエッジ丸みを形成する 加エ法、すなわち等方性・異方性の両加工性原理をもっエネルギー加工が理想的で あると言えます。

しかし、両加工性原理のバランスをとることが必要であり、異方性 より等方性が強すぎるとエッジ丸みが大きくなりすぎることになります。板金における各種加工法も、ほとんどが物性的エネルギー加工であり、すべて異方性加工となります。

 

バリはどうして生成されるか

 

工具と工作物間に幾何学的な干渉を加えて、外部より物理的エネルキーを付加す ると、下図に示すように工具先端の切れ刃稜(エッジ)の丸みRに応じて弾塑性 境界領域、つまり加工変質層が発生します。

工具のエッジが通過したのちに、工作物表面は弾性回復(スプリングバック)を生じ、半径ρの弾塑性境界の包絡線として(ρ-R)の加工変質層が発生します。

このような加工変質層は、エシジの丸味や角度(すくい角、逃げ角)によって影 響を受けますが、工作物の弾性率E、ビッカース硬度Hvや加工硬化指数によっても 大きく変化することが知られています。

各種加工法によるバリの種類

素材および部品の重量変化に基づいて各種加工法を分類すると、除去加工(一(マィナス)加工)、変形加工(0(ゼロ・)加工)、付加加工(+(プラス)加工に分 けられます。

それらに応じた各種加工法およびそれによって生成されるバリを分類すると表6.2のようになります。

また、パリの生成機構より分類すると表のようになります。 これらのパリの種類のうち、切削バリをその生成形態から分類すると、次の4つの タイプに分類できます。

各種加工法によるバリの種頬

(1)ポアソンバリ

図6.6の(1)や(2)のように切削方向に対して直向方向に 工作物端部が工貝によって圧縮変形されて生じるバリです。切削開始時(工 具の工作物への食い込み時)にも生じることから、エントランスバリとも呼ば れます。この名称は材料の主応力に対する横方向の変形を説明するポアソン比 から名付けられています。

 

(2)ロールオーババリ

下図のように工具切れ刃が工作物端部から離れ る切削終了時に塑性流動を生じることにより、切削方向に自由面側へ押し出されて生成されるバリです。離脱しないで残留した切りくずの一部ともいうべきものです。

このタイプのバリは、延性に富む軟質金属に多く見られます。

 

(3)引きちぎりバリ

切削の開始点または終了点の工作物のエッ ジ部において、せん断より引きちぎり現象によって生じるバリです。突切り 加工の切削開始点やねじり切り加工の切削終了点において生成されやすいバリです。

(4)せん断パリ

せん加工において、せん断が終了する直前に工作 物の自重などで分離し、切削面の中心にへそ状に残留するバリである。

板金加工で最も多く発生するせん断バリの原因と対策に関しましては、こちらをご覧ください。

他の金属加工で発生するバリと板金加工で発生するバリについて

一般的には、機械加工の中に塑性加工(≒板金加工)が含まれると考える場合が多いものと思われます。機械加工の技術が塑性加工で応用される場合が多いのも事実です。機械加工の側面からも一度バリを考察してみれば、視野が広がるものと考えます。

世の中で目にする金属加工品の大半は板金製品であり、その理由は圧倒的な加工コストの低さに由来するものです。そういった板金製品の縁部には、ほぼ例外なくバリが発生しています。

この対策を行う事は、金属製品の大半のバリに関する対策を行う事に匹敵するものと考えます。

お問い合わせ先

オーセンテック 株式会社

〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3丁目3番2-225号

電話番号:042-701-0285  ファクス:042-701-0286 Eメール:info@authentec.jp