【導入機器】
AuDeBu BlackLine1100
【事業内容】
レーザー加工、パンチ加工を駆使した
一貫しての精密板金加工
【選んだ理由】
品質だけでなく価格面でも納期の面でも、
お客様の要望に応えられるから
株式会社俵工業所様の概要
弊社は創業以来50年にわたり、一貫して精密板金加工に携わり、 信頼される製品造りに邁進してきました。産業界において激動するグローバルな国際競争を背景に精密板金・レーザー加工のニーズは年々多様化・高度化しています。そうしたお客様のご要望に柔軟に応え、正確かつ高品質な製品を提供することが我々の使命と考えております。
長年培ったノウハウに甘んずることなく日夜技術開発に励み、多品種少量、高品質、短納期、優れたコストパフォーマンスを実現。 最先端の生産システムを私どもの技術にフィットさせ、高付加価値の製品を提供する。
それがお客様との信頼関係の構築に繋がると考えています。
株式会社俵工業所様 公式ホームページ 社長挨拶より
株式会社俵工業所様
福岡県遠賀郡遠賀町
http://www.k-tawara.jp/
インタビュアー本日は、よろしくお願いいたします。
さっそくですが、はじめに、会社の概要を教えていただけますか?
俵工業所社長:従業員65名ほどの精密板金加工会社です。
取引会社は、大手企業から零細企業に至るまで、月に200社ほどあります。
先代からの教えに「小さな会社を大切にしなさい」との教えがあり、これまでもこれからも、企業規模にかかわらず、従業員一同、誠心誠意込めて協力体制をつくって行きます。
弊社くらいの規模になると営業部門があってもよさそうなのですが、実は、我が社には営業部門がないのです。
「製品を見ていただければ、わかっていただける」
これが弊社のモットーです。そこには、「品質」「納期」「コスト」の三大要素を「お客さまご納得のバランス」でご提供する企業姿勢が根底にあります。
その結果、「高品質」「短納期」「優れたコストパフォーマンス」を実現し、お客さまに対し、常に高付加価値の製品を提供することが何よりの信頼の証だと考え実践しています。
今回のブラックライン(バリ取り複合機)導入も、「お客さんが喜んでくださる」ことを一義に導入することを決めました。他社さんが持っていないような設備をフルに活用して、お客さまに提供して貢献し、一緒に取り組んで、一緒に汗かいて、ひとりでも多くのお客さんに喜んでいただけたなら、それが一番嬉しいんです。
インタビュアー今回、導入なさったAUDEBU BlackLine(バリ取り複合機)を知るきっかけは何だったのですか?
俵工業所社長:今から約2年前、高田社長に紹介していただいたのがブラックラインとの最初の出会いです。
高田社長には、以前より「レーザー切断により生じる酸化皮膜の除去作業」についての相談をしていました。この度のブラックライン導入は、2年越しで心待ちにしていたものです。これまでの手作業では、なかなか対応できなかったニーズにも対応できる体制が整いましたので、とても期待しています。
インタビュアーブラックラインに期待する所は何ですか?
俵工業所社長:数年前から「レーザー切断により生じる酸化被膜の除去作業」の仕事をいただくようになりました。この仕事は毎年、必ず何社から依頼されるようになって来ていました。当初、この被膜取りの仕事をするにあたり、ディスク・グラインダーやベルト・サンダー等を使い手作業で行っていました。同業者のみなさんも被膜取りの仕事は、各種サンダー、薬品、金属タワシ、などを使い、被膜取りの作業を従来通りの手作業で行っているとのことでした。
少しづつではありますが、年々酸化被膜取りの仕事が増えて行くのを実感していました。被膜取りは、大変手間暇のかかる仕事ですので、従来通りの手作業では限界が近づいていると感じ、何か対策を打たねばと常々考えていました。同業者仲間をはじめ、バリ取り機でお付き合いのあった高田社長にも、この悩みを相談していました。
インタビュアー具体的には、どのような分野でブラックラインが活躍できるのでしょうか?
俵工業所社長:ひとつは「電着塗装を必要としている分野」、もうひとつは「R面取りを必要としている分野」のお客さまです。
かねてより、複数のメーカーさんから「酸化被膜を避けたいので、レーザー屋さんではなく、プレス屋さんに仕事を出している」との声を頂戴する機会がありました。
つい先日も、電着塗装ラインをお持ちのメーカーさんより「電着塗装にとって悪影響のある酸化被膜が出来てしまうのでレーザーを使わないでほしい」とのご要望がありました。このご要望にお応えするためには、これまでであれば、9mmくらいまでの厚みでしたら、シャー切断やプレス加工等、レーザーを使わない加工方法で対応するしかありませんでした。
これからは、ブラックラインを導入することで、レーザー加工で生じた酸化皮膜を除去できますので、お客さまが懸念されている問題を解決したうえでレーザー加工を行えます。レーザー加工&ブラックラインがタッグを組めば、新しい分野への取り組みをすることで、新たなビジネスチャンスが生まれるはずです。
もうひとつの「R面取りを必要としている分野」では、これまで外国製のバリ取り機で対応していました。私たちが十分に使いこなせていなかったのかもしれませんが、R面取り加工は担当者がはりついて品質管理をしていないと、心もとない一面があります。
お客さまからは、糸面より大きな「0.5RくらいまでのR面取りまで追い込んでくれないか?」との要望が度々あります。
これまでの外国製のバリ取り機ですと、0.1とか0.2Rの糸面加工にとどまりますが、ブラックラインでは、これまでのテストやデモで「0.5RくらいまでのR面取り」が実現できていますので、とても期待しています。
お客さまの新たな分野におけるご要望に応えるためにも、「レーザーで切るけど被膜は出ない」を私どもの今後のセールスポイントにしていきたいと考えています。レーザー加工&ブラックラインの最強タッグで、品質はおろか、価格面でも、納期の面でも、十分にお客さまのご要望にお応えできるようになります。
さらに、ブラックラインは、上記で触れた機能にプラスして「ヘアライン加工」も出来るということなので、期待はさらに膨らみます。どこまで行けるのか本当に楽しみにしています。
酸化被膜除去とドロス除去のサンプル
ブラックライン設置の様子
インタビュアー工場見学をした際に、厚みのある加工品を多く目にしました。
どのような加工が多いのですか?
俵工業所社長:レーザー加工でしたら、25mmくらいまでの加工ができます。
また、見学した工場にはありませんでしたが、別棟の工場には、厚手加工だけではなく、ハクのような0.01mmのステンレスとか真鍮の加工が出来る機械もあります。私共の会社には、機械の性能をとことん引き出してくれる熟練スタッフが数多くいますので、ハクのような薄手から25mmくらいの厚手まで、幅広い板厚加工を提供することが出来ます。レーザー加工やベンディング加工に関しては、地域ナンバーワンを自負しています。
インタビュアー先ほどのお話しの中で同業者とのやり取りのくだりがありましたが、情報交換など頻繁に行っているのですか?
俵工業所社長:みなさん、気さくに相談し合える仲間です。
親しき仲にも何とやらで、同業者に聞いてばかりではなく、私からも情報提供を積極的に行っています。
つい先日も、福岡県の依頼で、県下の下請け業社の今後の展開に関する講演を担当させていただきました。これは、県の下請け振興会に所属している50社くらいに向けての30分ほどの講演です。
手前味噌ですが、この講演の反響を受け、県の雑誌「ふくおか」や日刊工業新聞などでも取り上げていただきました。
地道な活動ですが、同業者のノウハウを共有することで地域の産業に貢献し、さらには、こうした小さな発展を通じて、ゆくゆくは、僅かながらでも地域全体に貢献できれば何よりです。
インタビュアー将来への展望をお聞かせください。
俵工業所社長:ブラックラインに関する展望と会社全体の展望とをお話しします。
酸化被膜除去の需要は、まだまだ、全体の1割程度の仕事です。一方「レーザー加工&酸化被膜除去をセットで請け負ってくれるなら、ぜひともお願いするよ」と声をかけてくださるお客さまは大勢いらっしゃると思います。
先ほどお話ししたように、すでにお困りの「電着塗装」と「R面取り」を必要としている分野のお客さまをはじめ、「レーザー加工&酸化被膜除去」を必要としているお客さまに「レーザーで切るけど被膜は出ない」ソリューションをご提供して行くことで、この分野の見通しは立つのではないでしょうか。
会社全体の展望としては、国内基盤の拡張と海外進出の二点です。
国内基盤の拡張事業として、今年の2016年の10月に隣接する工場を新築し、パウダーコーティング塗装(粉体塗装)にも挑戦します。その後、3年後くらいにさらにもうひとつ工場を建設予定です。
海外進出は、ベトナムです。来年の2017年設立に向けて準備中です。
来月早々、ベトナムに行って、支社候補の不動産を見に行く予定です。まず、はじめにソフトチームを形成するための営業拠点をつくり、その後、工場も検討します。
現在、弊社に来ているベトナムからの留学生6名は、とても優秀な子たちでCADができる子もいます。
来年、ベトナムに支社を出す際には、ベトナム人留学生をはじめ、日本人も数名、現地に送り込み、海外進出の拠点づくりを推進します。
ベトナムは、福岡空港からの直行便がありますので、体感的にとても近しい国です。
日本国内と海外進出のバランスをとりながら、新しい分野への取り組み、お客さまをはじめ、弊社にとっても発展する足がかりになるような展望を描いています。
インタビュアー本日は、お忙しい中お時間を頂戴し、ありがとうございました。
ブラックライン導入時の講習会の様子
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