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板金加工工場の経営者・責任者の方に向けて、製造業における離職率の現状と、離職率低下のための対策について解説いたします。
「製造業は離職率が高い」と言われることが多く、厚生労働省の報告からもその傾向が見て取れます。
離職率が高い職場では、人手不足や技術継承の難しさなど、さまざまな課題が生じる傾向があります。
「なんとか離職率を下げたい」と思われている企業の方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、製造業における離職率の現状と、離職率を下げるための6つの対策を紹介します。
自社の課題と照らし合わせることで、どのような取り組みが必要かを具体的に検討できるようになるでしょう。
製造業の離職率の現状
製造業の離職率は、令和6年度で以下のように報告されました。
| 人数 | 割合 | |
| 入職者 | 6,802,000人 | 8.9% |
| 離職者 | 7,319,000人 | 9.6% |
出典:厚生労働省:(PDF)厚生労働省 令和6年雇用動向調査結果の概要
以上のように離職者が入職者を上回っている状態です。
割合として換算しても、離職率は10%に届く勢いで入職率を上回りました。
産業別に見ると、鉱業・複合サービス事業・不動産業に続き、離職率が入職率よりも高い業種第4位であるのが製造業です。
製造業の離職率が高くなる原因

それではなぜ、製造業で離職率が高くなるのでしょうか?
離職率が高くなる主な5つの原因について見ていきます。
原因①流れ作業が多い
まず、流れ作業の多さが原因として挙げられます。
仕事に「やりがい」を求める方は多いものです。
しかし流れ作業は1日中同じことの繰り返しで、単調で、やりがいを感じにくい傾向があります。
もちろん製造業では欠かせない業務であり、製品製造に大きく役立つ業務ではあります。
しかし体感的にやりがいが感じられず、退屈だと思ってしまう方も少なくありません。
原因②労働時間が長い
労働時間が長いことも原因のひとつでしょう。
製造業では納期に合わせて製品を完成させなければならず、長時間労働を強いられることがあります。
労働時間が長くなると、どうしてもワークライフバランスが崩れてしまい、心身の疲弊を招いてしまうもの。
そのため「製造業はつらい」と感じて、離職を検討する方もいるかもしれません。
原因③肉体的な負担が大きい
肉体的な負担が大きいことも、製造業の離職率が高い原因と考えられます。
重量のある部品を運ぶ、1日中立ちっぱなしで作業する、長時間同じ姿勢を保つなど、体への負担が大きい仕事も多くあります。
他の業種に比較して肉体的負担が大きく、身体的に続けるのがつらくなってしまう方もいるでしょう。
年齢を重ねるにつれて、製造業の業務を続けることが難しくなるケースもあります。
肉体的な負担が大きい現場が多いことも、製造業の離職率の高さに影響を与えているのではないでしょうか。
原因④職場環境が整っていない場合がある
続いては、職場環境が整っていない場合があることについてです。
製造業の工場では、暑さ・騒音・臭気・汚れなど、作業環境が厳しいケースも少なくありません。
また企業によっては、怪我や事故などのリスクが高い環境であることも考えられるでしょう。
職場環境が整っておらず、安全かつ快適に働けないと感じた結果、離職する方もいます。
原因⑤生活リズムが不規則になる
生活リズムの不規則さも、離職率が高くなる一因です。
3交代制を採用している企業であれば、夜勤があったり日勤があったりと、勤務時間がばらばらになりがちです。
生活リズムを整えることは健康の基本であるため、健康を損なってしまうこともあるでしょう。
また家族と生活リズムが合わず、コミュニケーションが取れない状態になることも考えられます。
生活リズムの不規則さにより生活に支障が生じ、離職を検討する方もいるはずです。
製造業の離職率の低下を防ぐ方法
製造業で離職率が高いことにはさまざまな原因があると解説しました。
では、離職率の低下を防ぐためにどのような対策が有効なのかを見ていきましょう。
考えられる6つの方法について解説します。
方法①作業環境を見直す
まずは作業環境の見直しから始めましょう。
現在の作業環境を見て、従業員が「働きにくい」と感じることはないでしょうか?
たとえば空調が稼働していなくて扇風機だけである、換気が十分ではない、工場の中が衛生的ではない、騒音対策が行われていななどです。
もし該当する問題点があれば、改善できるよう努力してみましょう。
作業環境を見直すだけでも、労働の環境が劇的に良くなることもあります。
作業環境の改善は、効率や安全性の向上にもつながります。日々の業務の中で課題を観察し、改善できる箇所を継続的に見直しましょう。
方法②雇用条件を見直す
雇用条件の見直しも重要なポイントのひとつです。
待遇が良くない職場であれば、離職を検討する従業員が増えることが考えられます。
基本給はもちろん、福利厚生をより充実させられないか見直しを行ってください。
雇用条件を見直せば、従業員のストレスが軽減され、仕事へのモチベーションアップにもつながるかもしれません。
方法③ワークライフバランスを重視した環境を整備する
続いてはワークライフバランスを重視した環境を整備すること。
労働時間が長い、残業が多い、休暇を取りにくい企業などに適した対策法です。
プライベートな時間が十分に確保できるよう、労働・残業時間、休暇取得について見直してみてください。
労働時間が長過ぎるようであれば、3交代制を4交代制にするなどの対策もできるでしょう。
ワークライフバランスを重視した職場では、従業員の健康とモチベーションが保たれ、企業にとっても良い循環が生まれます。
方法④教育制度を整備する
製造業で離職率低下を目指すなら、教育制度を整備することも対策法のひとつです。
教育が充実していないと、技術が未熟な従業員が職場に適応できなくなる可能性があります。
そこで大切になるのが、従業員全員が自身の役割に合った技術を身に着けていくことです。
教育制度を整備し、適切に技術を指導できれば、従業員が職場で居づらさを感じることも少なくなるでしょう。
方法⑤福利厚生と給与制度を見直す
待遇に問題があるようであれば、福利厚生と給与制度を見直さなければなりません。
従業員は労働力を提供する代わりに、金銭や保証を受け取っている存在です。
業務に見合った給与と福利厚生を与えられていないようであれば、適した形に改善していく必要があります。
福利厚生や給与は、従業員の満足度を高め、仕事へのモチベーションを向上させる大きな要因です。
もちろん製造業における離職率低下にも役立ちます。
給与を引き上げたり、福利厚生を充実させたりすることで離職する従業員が減る可能性は高いでしょう。
方法⑥心理的安全性を高める仕組みを整える
最後に、心理的安全性を高める仕組みを整えてください。
心理的安全性とは、職場で自分の意見や悩みを安心して共有できる状態を指します。
たとえば新しく入社した従業員が悩みを打ち明けられたり、体調に関する相談をできたりする場だと言えます。
心理カウンセラーや産業医など、専門家からの協力を受けられれば従業員の心理的安全性が高まるはずです。
製造業における離職率低下を目指すなら適切な対策を
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、製造業の離職率についてご理解いただけたと思います。
製造業では入職率よりも離職率が高い傾向がありますが、適切な対策を講じることで、離職率の低下は十分に実現できます。
オーセンテックでは、製造業の生産性を高めるための機器を各種販売いたしております。製造業で離職率を低減させるには、従業員の負担を減らすこともポイントのひとつです。離職率の低下と職場環境の改善を目指す企業の方は、オーセンテックの製品をぜひご検討ください。
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この記事の著者

オーセンテック株式会社
オーセンテック株式会社では、「お客様の声を「アイデア」に お客様の笑顔を「力」に「ものづくり」に貢献する会社でありたい」という企業理念のもと、製造現場の生産性向上・人手不足・品質の安定化・環境改善を実現させるため、手作業をなくすための機械(バリ取り機や板金洗浄機など)を開発・販売・メンテナンスしております。
オーセンテック編集部では、これまでの数多くのバリ取り機、洗浄機の導入事例・サポート経験を活かして、バリ取りや洗浄といった板金加工現場でなくてはならない工程・作業に関するお役立ち情報を発信しています。


