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C面取りとは?寸法表記と計算式から図面指示や加工方法まで解説

図面作成や機械加工の現場で、角部の処理について迷うことはありませんか?
製品の品質や安全性を確保するうえで、適切な面取り加工は欠かせない工程の1つです。
しかし、図面への正しい指示方法や、C面寸法から実際の加工深さを求める計算などは、意外と曖昧なまま作業されているケースも少なくありません。

本記事では、C面取りの定義から具体的な計算式、45度以外の対応まで、実務に即した知識を解説します。
基礎を固めて、手戻りのない設計や確実な加工を実現するための参考にしてください。

C面取りとは?基本の定義と種類

C面取りとは、素材の角部を45度の角度で斜めに削り落とす加工方法です。
機械加工においてもっとも一般的な面取り手法であり、単に「面取り」と呼ぶ場合はこのC面取りを指すケースが大半を占めます。

以下の特徴を正しく理解することで、設計や加工における判断がより的確になります。

  • Cの由来(Chamfering)と45度の関係
  • R面取りや糸面取りとの違い

それぞれ見ていきましょう。

参考資料:日本産業規格「JISB0701:1987 切削加工品の面取り及び丸み」

Cの由来(Chamfering)と45度の関係

C面取りの「C」は、英語で面取りを意味する「Chamfering」の頭文字に由来するものです。
JIS規格では、この記号は45度の角度で面取りを行う(直角二等辺三角形を削り落とす)場合にのみ用いられます。

たとえば図面に「C1」とあれば、角部から1mmの2辺を45度でカットすることを指します。
45度以外の角度を指定する際は、「C」を使わずに数値と角度を併記するのが基本ルールです。
このC寸法の数値から実際の「加工深さ」を正しく算出することは、図面どおりの精度を出すために不可欠となります。

R面取りや糸面取りとの違い

角を直線的に削るC面取りに対し、R面取りは角に丸みを持たせる加工方法です。
「R」は半径(Radius)を意味し、角を円弧状に仕上げることで手触りが滑らかになり、怪我防止にもっとも効果を発揮します。

一方、糸面取りは目に見えないほど微細な面取りのことで、おもに加工後の鋭利なバリを取り除くために行われます。
糸面取りは一般的に「C0.2〜0.3mm程度」と解釈されることが多く、図面上に個別の指示がない場合でも、注記によって一括で指示されるのが一般的です。

C面取りを行う目的やメリット

適切な面取りを施すことは、製品の安全性や組み立てやすさに直結し、最終的な品質を左右します。
C面取りを行うおもな理由として、以下の3つを解説します。

  • 怪我の防止と安全性の向上
  • 組立性能(ガイド機能)の向上
  • 製品の耐久性と品質の維持

目的を理解することで、なぜその工程が必要なのかを意識しながら作業を進められます。

怪我の防止と安全性の向上

機械加工直後の金属部品は、角がナイフのように鋭利な状態になっています。
このままでは、加工担当者が次の工程へ運搬する際や、エンドユーザーが製品を使用した際に、手や指を切ってしまうおそれがあります。

C面取りを行って鋭いエッジを取り除くことは、製品に関わるすべての人の安全を守るための最優先事項です。
とくに人が頻繁に触れる操作盤や持ち手の部分は、大きめの面取りを施すなどの配慮が必要です。
安全対策としての面取りは、製造物責任(PL法)の観点からも欠かせない処理といえます。

組立性能(ガイド機能)の向上

複数の部品を組み合わせる製品では、C面取りがスムーズな組み立てを助けるガイド役を果たします。

たとえば穴に軸を挿入する場合、双方が直角のままだと正確な位置合わせが難しく、少しでもズレると入らなくなるでしょう。
しかし、挿入の入り口にC面取りがあれば、部品同士が多少ズレていても斜面に沿って自然と中心へと誘導されます。
これにより作業効率が格段に上がり、無理な押し込みによる部品の変形やカジリ(焼き付き)といったトラブルも未然に防げます。

製品の耐久性と品質の維持

鋭利な角が残ったままの部品は、使用中の衝撃や接触に対して脆いという弱点があります。

角部は外部からの力が集中しやすいため、わずかな衝突でも欠け(チッピング)が発生し、そこから亀裂が広がって破損につながる可能性も。
あらかじめC面取りによって角部の応力集中を分散させておくことで、衝撃や繰り返しの負荷に対する「疲労強度」が向上し、製品の寿命を延ばす効果が期待できます。

塗装やメッキをする際にも、角が鋭いままだと膜厚が均一にならず剥がれやすくなるため、面取りは表面処理の品質維持にも寄与しています。

C面取りの寸法表記と計算式

図面に記載された数値を正しく読み取り、実際の加工に必要な寸法を算出することは、現場担当者の必須スキルです。
とくにC面取りは、表記された数値と実際に削る深さが異なるため注意が必要です。

実務で頻出する寸法や計算について、以下の3つを解説します。

  • C1やC2など寸法表記の読み方
  • 加工深さを求める計算式
  • 45度以外の角度指定がある場合

正確な知識を持つことで、図面の意図を正しく汲み取り、精度の高い加工を実現できます。

C1やC2など寸法表記の読み方

図面上の「C1」や「C2」といった数値は、角の頂点から除去される辺の長さを表しています。

たとえば「C3」の場合、直角の角から縦方向と横方向にそれぞれ3mmの位置を結んだラインでカットします。
よくある間違いとして、カットしたあとの斜面の幅(面幅)が3mmになると誤解されることがありますが、これは誤りです。
あくまで「削り取る二等辺三角形の辺の長さ」が寸法の基準である点を理解しておきましょう。

この定義を取り違えると、想定よりも大きく削りすぎてしまい、製品が規格外れになるリスクがあります。

加工深さを求める計算式

実際に工作機械でC面取りを行う際、工具をどれだけ押し込めばよいかを算出するには計算が必要です。
45度のC面取りでは、直角二等辺三角形の性質を利用して計算します。
斜面の幅(面幅)は、C寸法の数値にルート2(約1.414)をかけることで求められます。

反対に、工具の刃先を角に当てて45度の方向から切り込む深さは、C寸法をルート2で割った数値(C×0.7)です。
このため、図面どおりのC面を出すには、C寸法の約0.7倍の深さを目安に加工を行う必要があります。
現場では関数電卓や専用の計算アプリを活用し、正しい切り込み量を算出してから加工に入ります。

45度以外の角度指定がある場合

JIS規格では、記号「C」は45度の面取りにしか使用できません。
そのため、30度や60度といった異なる角度で面取りが必要な場合は、「2×30°」のように「長さ×角度」で表記するか、図面上で寸法線と角度を明記して指示します。
このときの「長さ」がどの辺を指しているか(斜面長なのか、底辺なのか)は図面によって異なる場合があるため、必ず図示を確認しなければなりません。

45度以外の指示に対して安易に「C」の概念を当てはめると、形状が大きく異なってしまうため注意が必要です。

C面取りの図面指示方法と注意点

規格に沿った正しい記述は、問い合わせの手間を減らし、スムーズな製造工程を実現します。
図面指示のルールについて、以下の2つを紹介します。

  • JIS規格に基づく基本の書き方
  • 注記による「指示なき角部」の一括指示

それぞれ見ていきましょう。

JIS規格に基づく基本の書き方

JIS規格(JIS B 0001やJIS B 0701)では、C面取りの指示は、角部から引き出し線を出して「C数値」と記入するのが基本です。
たとえば「C1」や「C2」のように記述します。
45度以外の面取りについては「2×30°」のように辺の長さと角度を併記します。

穴の入り口などの円周部分に面取りをする場合も同様に引き出し線を用いますが、その穴の直径寸法とあわせて指示することも可能です。
重要なのは、どの角に対して指示しているのかが一目で分かるように配置し、線が交錯して見にくくならないよう配慮することです。

注記による「指示なき角部」の一括指示

製品には無数の角が存在するため、すべてに寸法指示を入れると図面が煩雑になり、かえって見づらくなります。
そこで、重要な箇所以外は図面枠外の注記に「指示なき角部はC0.2~0.5」や「鋭利な角は糸面取りのこと」と一括指示を記載するのが一般的です。
これにより、個別の指示がない角についても処理方針が明確になり、加工漏れや怪我のリスクを防げます。

ただし、組み立てにかかわる角については、注記に頼らず個別に公差付きで寸法を明記するほうが安全です。

C面取りの具体的な加工方法やトラブルについて

C面取りには、使用する工作機械や工具によってさまざまな加工方法があります。
また、加工中に発生しやすいトラブルへの対策を知っておくことも、品質を安定させるためには不可欠です。

実際の加工現場での手法と注意点について、以下の3つを解説します。

  • 旋盤やフライス・ドリルによる機械加工
  • 手作業(ヤスリやサンダー)と自動化の傾向
  • 加工トラブル「びびり」の原因と対策

詳しく見ていきましょう。

旋盤やフライス・ドリルによる機械加工

旋盤加工では、回転するワークに対して45度に傾けたバイトや専用のチップを当てて面取りを行います。
プログラム制御により、外径や内径の仕上げ加工と連続して行えるため効率的です。

一方、マシニングセンタなどのフライス加工では、先端が90度(片側45度)になった面取りカッターを使用して、製品の輪郭をなぞるように加工します。
穴あけ加工は、ドリルと面取り刃が一体になった「段付きドリル」を使用することで、工具交換の時間を短縮する手法も広く採用されています。

手作業(ヤスリやサンダー)と自動化の傾向

機械加工で対応しきれない複雑な形状や、小ロットの製品について、熟練作業者がヤスリやディスクグラインダー(サンダー)を使って手作業で面取りを行います。
しかし、手作業は品質にバラつきが出やすく、作業者の負担も大きいため、近年では自動化が進んでいます。

ロボットアームにバリ取り工具を取り付けて自動追従させたり、専用のバリ取り機にワークを通すだけで均一なC面取りができる装置も普及してきました。
自動化は省人化だけでなく、品質の安定と作業環境の改善にも大きく貢献しています。

加工トラブル「びびり」の原因と対策

面取り加工でもっとも多いトラブルが、加工面に波打ったような模様が残る「びびり振動」です。
これは、工具やワークの剛性不足、あるいは切削条件が不適切な場合に発生します。

面取りは刃の接触面積が広くなりやすいため、抵抗が大きくなり振動が起きやすい傾向があります。
対策として、回転数を下げて送りを調整する、工具の突き出し量を短くして剛性を高める、あるいは不等分割刃などの防振工具を採用するといった方法が有効です。

まとめ:C面取りの基本を押さえて設計や加工に活かそう

C面取りは製品の価値を高める重要な工程ですが、現場での手作業は品質のバラつきや担当者の負担につながりやすいのが実情です。

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この記事の著者

オーセンテック株式会社 編集部

オーセンテック株式会社では、「お客様の声を「アイデア」に お客様の笑顔を「力」に「ものづくり」に貢献する会社でありたい」という企業理念のもと、製造現場の生産性向上・人手不足・品質の安定化・環境改善を実現させるため、手作業をなくすための機械(バリ取り機や板金洗浄機など)を開発・販売・メンテナンスしております。
オーセンテック編集部では、これまでの数多くのバリ取り機、洗浄機の導入事例・サポート経験を活かして、バリ取りや洗浄といった板金加工現場でなくてはならない工程・作業に関するお役立ち情報を発信しています。

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