目次
製造業において現場での責任者を担当している方に向けて、多くの種類の商品を少しずつ生産することについて解説します。
最近多くの企業が導入している多品種少量生産。
これから導入すべきかと考えてみても、本当に導入すべきか、メリットはあるのか、どのように導入すべきかと悩んでしまう方もいるでしょう。
そこで今回の記事では、多品種少量生産の概要やメリット、導入の際の課題について解説します。
参考にしていただければ多くの種類の商品を少しずつ生産することを導入すべきか、導入するならどのように体制を整えるべきかご理解いただけるはずです。
多品種少量生産とは
「多品種少量生産」とは、複数の製品を少量ずつ生産する方式を指します。単一製品を大量に生産する方法とは異なり、種類の多さを前提に、それぞれの製品を必要な数量だけ生産する点が特徴です。
たとえば100種類の製品を10個ずつ生産するケースが該当します。
続いて、多品種少量生産が広まった背景や採用されやすい産業について見ていきます。
多品種少量生産が広まった背景
多品種少量生産が広まったのは、消費者のニーズが多様化したこととグローバル化が進んだこと、コストを削減しやすいことが主な原因です。
時代とともに消費者のニーズは移り変わりますが、現代においては消費者がより適した製品を選ぶことが一般的となりました。
そのため多種多様な製品を展開する必要が生じているのが現状。
さらにグローバル化によって消費者の嗜好関心の幅が広がれば、国内だけの展開に比べてさらに多くの製品が必要となるでしょう。
しかし多種多様な製品を生産しても、購買予測が外れた場合、余剰在庫を抱えてしまうことになりかねません。
そこで活用したいのが多品種少量生産です。
製品の種類が多かったとしても、それぞれの生産数が少量であれば余剰在庫を抱えるリスクは低くなります。
製品在庫が余ることは、生産コストが無駄になったことと同じです。
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式であれば、無駄なコストを費やしてしまうこともなくなるでしょう。
多品種少量生産は、多様な消費者の好みに合わせた製品を生産するために行われるようになりました。
消費者のニーズが多様化したこと、グローバル化が進んだことが大きな原因だと考えられます。
多品種少量生産が行われる産業
続いて、多品種少量生産が行われやすい産業について見ていきましょう。
①工場
工場では多くの種類の商品を少しずつ生産する方式が行われるケースが非常に多く見られます。
工場ではスマート化が進んでおり、多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を行いやすい環境も整ってきています。
人や機械をネットワークに組み込むことにより、効率的に高速な製品生産ができる環境です。
そのため工場ではプロセスを効率化することにより、多品種少量生産に対応できる体制が整えられています。
②食品
食品産業においても多品種少量生産が行われています。
現代の消費者の食の嗜好は多様化しており、傾向の違う多くの食品を製造しなければならない現状であるためです。
たとえばお菓子であっても消費者の嗜好に合わせるには、味を追求した商品とともに、健康面やカロリーの低さを目指した商品も製造しなければなりません。
食品産業でも多くの種類の商品を少しずつ生産する方式へのニーズが高まっていると言えるでしょう。
③農業
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式は農業においても重要化されてきています。
生産だけでなく流通・販売までのプロセスを考えると、より多くの品種を生産することで、需要を取り込みやすくなります。
食品分野と同じように、味わいの高さを求めるか健康性を求めるかによって、ニーズが変わってくることも考えられます。
農業においても実践すれば、収益アップが見込めるかもしれません。
④アパレル
アパレルにおいても重要視されている多品種少量生産
昨今はファストファッションへのニーズが高まっており、さまざまなアイテムを安価で販売するメーカーが増えてきています。
こだわりの一品ではなく、多くの商品の中から今の気分に合うものを選び、すぐに買い替える消費者が増えているとも言えるでしょう。
そのためアパレルにおいても短期間で多くの商品を生産する必要性が生じ、多品種少量生産に取り組むメーカーも増えています。
⑤化粧品
化粧品で多品種少量生産が求められているのは、肌質や年齢によって求められる化粧品が異なるためです。
同じ化粧品を大量に生産したとしても、対象の商品へのニーズを持つ消費者は限られています。
たとえば20代の女性向けの化粧品を生産したとして、40代の方へのニーズ喚起は難しいでしょう。
人によって肌質は異なるため、肌質に合ったニッチな化粧品を作る必要もあるかもしれません。
化粧品分野で多くの種類の商品を少しずつ生産する方式が求められるのは、個々人で異なる肌質によって合う化粧品が異なるからであるといえます。
⑥家電
家電製品の生産でコンピュータを活用して多くの種類の商品を少しずつ生産する方式に対応しているメーカーもあります。
多品種少量生産をすることによってさまざまな製品を販売でき、より多くの消費者を惹きつけられるでしょう。
たとえば同じ機械を使用して、違う製品を製造する取り組みなどが行われています。
多品種少量生産に適した生産方式
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式に適した生産方式は次のとおりです。
【多品種少量生産に適した生産方式】
- セル生産
- 受注生産
- 見込み生産
セル生産では製造プロセスを細かな単位にわけて作業を行うため、プロセスが少ない製品を少量生産するのに適しています。
そして受注を受けてから生産する受注生産方式は、多品種少量生産に最も適した方式であると言えるでしょう。
受注生産よりも納期を短くしたいと考えるなら、見込み生産がおすすめです。
見込み生産はニーズを予測して生産を行う方法で、余剰在庫のリスクを低減できます。
少品種大量生産との違い
「多品種少量生産」と「少品種大量生産」との違いは、余剰在庫を抱えるリスクと製造工程にあります。
まずはそれぞれの製造体制の例を見てみましょう。
【製造体制の例】
- 多品種少量生産:10種類の製品をそれぞれ2,000個ずつ生産する
- 少品種大量生産:2種類の製品をそれぞれ10,000個ずつ生産する
どちらも20,000個の製品を生産することになりますが、多品種少量生産は1種類の生産量が少なくなります。
対して少品種大量生産は1種類の生産量が多く、売上が芳しくないと、多くの在庫を抱えてしまうかもしれません。
以上のように多くの種類の商品を少しずつ生産する方式のほうが余剰在庫が生じるリスクが少ないものの、製造工程は複雑になりがち。
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式では製造する製品が多く、製造方法や生産工程、納期が製品によって異なってくる可能性があるためです。
つまり在庫を抱えるリスクを低減できるのが多品種少量生産、製造工程をシンプルにできるのが少品種大量生産であるという違いがあります。
多品種少量生産のメリット
多品種少量生産についての基礎知識について解説してきました。
それでは多くの種類の商品を少しずつ生産する方式にはどのようなメリットがあるのか、2つの観点から解説します。
メリット①幅広い顧客のニーズに対応できる
ひとつめのメリットは、幅広い顧客のニーズに対応できることです。
多種多様な製品を販売できれば、さまざまなニーズに対応しやすく、結果的により多くの顧客を満足させられるでしょう。
たとえば「バッグが欲しい」と考える顧客がいたとして、異なるニーズに対応できる商品を作れば顧客の幅が広がります。
可愛いデザインのもの、ポケットが多くあり機能的なもの、耐久性に優れたもの、容量の大きなものと、抱えるニーズはひとそれぞれ。
多品種少量生産が幅広い顧客のニーズに対応できることは、どの分野にでも言えることです。
メリット②過剰在庫のリスクを軽減できる
過剰在庫のリスクを軽減できることもメリットであると言えるでしょう。
先にも解説しましたが、少品種大量生産では在庫が余ってしまうリスクが伴います。
一度に同じ製品を多く製造してしまうと、ニーズや市場の動向に対応しきれず、ともすると行き場のない在庫を抱えることになるかもしれません。
その点、多品種少量生産であれば、そもそもの製造数が少ないため過剰に在庫を抱えるリスクが軽減されます。
製品が順調に売れたなら、また生産すれば問題ありません。
ひいてはコストの無駄を省くことにもつながるでしょう。
過剰在庫のリスクを軽減できることは、企業の経営状態を改善するためにも役立ちます。
多品種少量生産の課題
多品種少量生産にはメリットがありますが、反面、課題があることも事実です。
これから多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を導入していきたいと検討されているなら、課題も知っておき、適切に対処できるようにしましょう。
課題①コストが高くなりやすい
まずはコストが高くなりやすいことについてです。
多くの種類の製品を製造するには、それぞれの製品に適合する原材料・製造工程・生産設備が必要になります。
製造する製品の種類が多くなるほど、比例してコストも高くなる傾向です。
少品種大量生産ではかからなかったコストがかかるようになり、製造コストが高額になるかもしれません。
課題②生産計画が複雑になりやすい
生産計画が複雑になりやすいことも多品種少量生産の課題でしょう。
製造現場における生産計画は、製造する製品ごとに立てられるのが一般的です。
たとえば3種類の製品を製造するのであれば、3つの計画を立てるだけで製造を始められます。
しかし10種類の製品を製造するとすれば、10の計画を立てなければならず、生産計画が複雑になりやすいのが課題です。
計画が複雑になるほど、工程管理に要する工数が増える傾向があります。
課題③リードタイムが長くなりやすい
続いての課題は、リードタイムが長くなりやすいことです。
製造する製品により製造工程は異なります。
製品の種類が増えるごとに設計はもちろん、製造するための準備、製造工程、検査も比例して増えるはずです。
工程が複雑になることで生産効率が低下し、リードタイムが長くなってしまうことがあります。
課題④品質の安定化が難しい
多品種少量生産では、品質の安定化が難しいことも課題のひとつです。
製造現場では同じ製品を数多く生産することにより、ノウハウが蓄積されていき、次第に製品の品質が安定していきます。
しかし多くの種類の商品を少しずつ生産する方式ではそれほど多くの製品が製造されるわけではありません。
製造数量が少ないため、品質を安定させるための条件が蓄積しにくい点が課題です。
結果的に製品の品質安定化が難しくなることがあります。
課題⑤在庫管理が難しい
課題として在庫管理が難しいこともあげられます。
多品種少量生産をすると、製品はもちろん、製造に必要となる原材料や部品の種類も多くなるものです。
つまり在庫の種類が増えて、在庫を保管してある場所がわからなくなったり、管理が煩雑になったりすることも。
在庫管理が難しくなることも課題であると言えるでしょう。
課題⑥コストを正確に把握するのが難しい
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式では、コストの正確な把握が難しくなることがあります。
製造するそれぞれの製品において見積もりが必要となること、未使用材料が発生しがちなことが原因です。
製品の種類が多くなるほど生産計画は複雑になると解説しました。
生産計画が複雑になれば、生産にかかるコストの把握も難しくなるものです。
コスト構造が複雑化し、正確な把握が難しくなります。
課題⑦作業員に求められるスキルが多くなる
多品種少量生産の課題として最後に解説するのは、作業員に求められるスキルが多くなることについてです。
製造する製品が多くなればなるほど、製造に携わる作業員に求められるスキルは多くなります。
たとえば少品種大量生産であればノウハウが蓄積されていき、作業員のスキルも磨かれていくはずです。
しかしさまざまな種類の製品を製造しなくてはならなくなると、ノウハウや必要なスキルが製品によって変わってきます。
結果的に作業員に求められるスキルが多くなり、作業員の成長が遅れてしまうこともあると考えられるでしょう。
多品種少量生産を実現するポイント
多品種少量生産ではメリットとともに数々の課題も存在します。
それではこれから多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を実現するには、どのようなポイントを踏まえて実践していくべきでしょうか。
8つのポイントを見ていきましょう。
ポイント①受注ごとに最適な生産方法を選択する
多品種少量生産を実現するなら、受注ごとに最適な生産方法を選択するようにしてください。
受注ごとに生産方法を選択すれば、生産におけるコスト削減を目指せ、さらに製造に必要な材料の在庫管理を効率化していけるはずです。
生産方法は大きくわけて、受注生産か在庫を持つかの2種類にわけられます。
また専用ラインを設置する方法も考えられるでしょう。
適した生産方法を選択するには、次のように受注の特徴を分析することが必要でしょう。
受注の特徴を分析する
生産方法を選択するには、まず受注の特徴を分析しなければなりません。
特徴は受注頻度とロットサイズから分析できます。
たとえば次のように考えてみてください。
【受注の特徴ごとの分類方法[1]】
- 受注頻度から:受注頻度によって「多頻度受注」と「少頻度受注」に分類する
- ロットサイズから:平均受注金額から基準を設けて、受注1回あたりのロットサイズによって分類する
【分類から導き出す生産方法[1]】
- 頻度が高い・大ロット:受注生産・専用ライン設置・在庫
- 頻度が高い・小ロット:在庫
- 頻度が低い・大ロット:受注生産
- 頻度が低い・小ロット:受注生産
上記のようにまずは受注の特徴を分析して、受注頻度とロットサイズを組み合わせて生産方法を導き出しましょう。
受注頻度が高い場合は段取りを変える回数が増えることからコストがかかりがちであり、在庫を持つほうが良いかもしれません[1]。
しかしロットサイズが大きければ、受注生産でもコスト回収率が高まると考えられます[1]。
対して受注頻度が低いのであれば、受注生産が最も効率的な生産方法でしょう[1]。
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を導入する際には、受注の特徴を分類すること、そして分類から適切な生産方法を導き出すことを考えてください。
ポイント②段取り替えを短縮する
段取り替えを短縮することもポイントのひとつ。
短縮することによってコストを削減しやすくなるためです。
段取り替えとは金型や治具を交換したり、設備の設定を変えたり、原材料を変更したりすることを指し、次の3種類に分けられます。
【段取り替え】
- 外段取り:生産ラインを停止せず行う段取り替えの準備
- 内段取り:生産ラインを停止して行う切り替え作業
- 後始末:切り替え作業を終了させること
3つの作業で共通して言えることは、製品を製造していない時間であることです。
段取り替えを短縮することによって、製造できない時間を減らせるようになり、製造コスト削減につながるでしょう。
ポイント③最適な在庫量を検討する
続いてのポイントは最適な在庫量を検討することです。
多品種少量生産では製品や製造に必要な原材料が多くなりがちであると解説しました。
在庫量が多いと不安なく生産に臨めますが、在庫が多くなりすぎると管理が難しくなります。
ただし在庫を少量ずつ頻繁に仕入れするとコストが高くなり、利益率が低くなってしまうでしょう。
そこで必要となるのが、最適な量の在庫を確保することです。
頻繁に使用する原材料や部品、販売数が多い製品の在庫を多めに確保するなど、自社内の在庫量に目を向けてみてください。
最適な在庫量を把握することは、多品種少量生産におけるコストを減らし、生産をスムーズにすることにつながります。
ポイント④生産工程を見直す
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式のポイントのひとつであるのが、生産工程を見直すことです。
製造する製品数が多いがゆえの生産工程の複雑さを改善し、業務効率を高めるために必要となります。
製造現場における工程進捗を管理しやすくし、在庫状況や原価を見える化できるようにすると、生産工程は驚くほどスムーズになるはずです。
生産工程を見直せば多品種少量生産における非効率性が軽減されます。
ポイント⑤見込み生産を行う
見込み生産を行うこともポイントです。
もし販売量が多い製品や汎用性の高い製品があれば、見込み生産を行っておけば生産効率が高まります。
受注を受けていないときに見込み生産を行っておけば、人件費を削減でき、生産における無駄も少なくなるでしょう。
余剰在庫を抱える不安のない製品においては、見込み生産を行っておくことが効果的です。
ポイント⑥DXを進める
DX化を進めることによって、多品種少量生産の効率性は向上します。
製品の設計・製造・保守などをIoTセンサーやAI技術を用いて行うのがDX。
生産工程のデータを集めたり、分析したり、制御できるようになるため生産工程の柔軟性を高められます。
また組み立てや保守のために必要となる時間・労力を削減できるようになるため、生産コストの節約にも役立つでしょう。
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式では生産効率性が低くなりがちである課題がありますが、DXを推し進めることにより解決できるかもしれません。
ポイント⑦生産管理システムを導入する
生産管理システムを導入することも多品種少量生産を効率化するためのポイントとなります。
先に生産工程の見直しが必要であると解説しましたが、生産工程の改善に役立つのが生産管理システムです。
生産管理システムを導入すると、生産に関するほとんどの情報を適切に、わかりやすく管理できるようになります。
部品や調達資材の仕入れ状況、在庫、工程進捗、原価を視認化してくれるため生産プロセスを把握しやすくなるはずです。
より効率的に生産を進めていきたいと思われるなら、生産管理システムの導入を検討してみてください。
ポイント⑧新たな設備を導入する
新たな設備を導入することは、生産方法の最適化に役立ちます。
特に受注頻度が多い場合に適した方法であり、設備を導入することによって生産回数を減らせたり、段取り替えが少なくなったりする可能性も。
初期費用がかかりますが、受注頻度が多い製品の製造に使って効率化がはかれるのであれば、トータルコストは短期間でプラスになるでしょう。
新たな設備を導入すれば、多品種少量生産における手間とコストがかかりがちな課題も解決しやすくなるはずです。
金属加工において多品種少量生産を実現するには?
金属加工において多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を実現するには、自動バリ取り機の導入がおすすめ。
なぜなら自動バリ取り機の導入によって生産効率が向上するうえに、製品の品質が安定するからです。
多品種少量生産では生産効率が低くなりがちなことと、ノウハウの蓄積不足による品質の安定性低下が課題であると解説しました。
自動バリ取り機では、熟練の技術を持つ作業員による手作業に近いバリ取りが誰でも行えます。
作業の標準化と省人化により、生産効率の向上が期待できます。
またバリ取りの品質は一定であるため、品質の安定感も確保できるでしょう。
金属加工で多くの種類の商品を少しずつ生産する方式を実現するなら、新たな設備として自動バリ取り機の導入を検討されてはいかがでしょうか。
多品種少量生産の実現に向けて自動バリ取り機を選ぶポイント
それでは多品種少量生産を導入するにあたって、自動バリ取り機を選ぶならどのように選ぶべきか解説していきます。
ポイント①品質にばらつきがない
まずは品質にばらつきがないバリ取りができることが大切です。
熟練の技術を持っていないと、どうしても品質が安定しないバリ取り。
せっかく自動バリ取り機を導入するのであれば、ばらつきがなく、一定の品質が確保される製品を導入したいものです。
機械であれば品質のばらつきはほぼ生じませんが、バリ取り後の品質ができる限り安定している製品を選んでください。
ポイント②操作方法がわかりやすい
操作方法がわかりやすいこともポイントのひとつ。
自動バリ取り機を導入しても、操作に手間取ってしまったり、特定の作業員しか操作できなかったりするなら業務効率向上効果が低減してしまいます。
誰でも簡単に操作でき、同じような品質のバリ取りを目指せる製品を導入しましょう。
ポイント③既存の設備と連携できる
既存の設備と連携できる自動バリ取り機であれば、さらに利便性が高まります。
たとえばすでに自動機械加工工程を導入しているならば、自動バリ取り機と連携させることにより一貫ラインを構築可能に。
生産工程にうまく組み込めれば、生産効率が向上するとともにより少ない人員で製造ができるようになるでしょう。
既存の設備と連携させるなら、連携に対応した製品を選んでください。
ポイント④メンテナンスしやすい
メンテナンスがしやすいこともポイントのひとつです。
導入したら長期的に使用することになる自動バリ取り機。
常に良い状態を保てるように、メンテナンスのしやすさも考慮すべきです。
ポイント⑤サポート体制が充実している
サポート体制が充実しているかどうかも選択の際のポイントとなります。
もし自動バリ取り機に故障が起きたり、トラブルが起きたりした場合、サポートが必要になるでしょう。
操作方法に不明点があった場合も、サポートが充実しているかどうかによって解決できるかどうかが決まるかもしれません。
サポート時間が長いこと、連絡手段が豊富であることなど、サポート体制が充実していることも確認したうえで導入しましょう。
自動バリ取り機の導入事例
最後に自動バリ取り機の導入事例についてご紹介します。
事例①株式会社佐藤電機製作所様
株式会社佐藤電機製作所様では、「AUDEBU Racoon1000」が導入されました。
医療機器や航空機器部品を精密板金加工によって製造している同社では、脱脂工程に工数がかかることが課題でした。
そこでシートメタル洗浄機を導入しましたが、アルカリイオン水が使われていたため白化現象がさらなる問題に。
「AUDEBU Racoon1000」はメッキ銅板やアルミを変色・腐食させることなく水道水で洗浄できるとのことで導入しました。
結果的に省人化を実現し、脱脂性能向上にも役立ちました。
事例②倉敷レーザー株式会社 中部事業所様
倉敷レーザー株式会社 中部事業所様では、「AUDEBU IQNOIA」が導入されました。
創業のときから最新タイプのレーザー機器を導入し続けてきた同社。
従来は2人で行う作業を1人で実施できるようになることが魅力で導入を決定しました。
省人化による人件費削減に成功したうえに、消費電力30%の効果を得て生産プロセスにおけるコスト削減効果を実感しています。
また操作画面がわかりやすく、使いやすいため導入して正解だったと感想を述べました。
多品種少量生産は課題を知ったうえで導入を
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、多品種少量生産についてご理解いただけたと思います。
多くの種類の商品を少しずつ生産する方式にはメリットもありますが課題もあるため、課題を把握して対処法を検討したのちに導入しましょう。
オーセンテックでは、工場の手作業を効率化するための機器をご提供しております。
コスト削減に役立つ自動バリ取り機や洗浄機をご用意しておりますので、多品種少量生産における生産効率低下をカバーしたい方はぜひご相談ください。
[1]参照:J-Net21:多品種少量生産における効率的な生産方法を教えて下さい。
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この記事の著者

オーセンテック株式会社
オーセンテック株式会社では、「お客様の声を「アイデア」に お客様の笑顔を「力」に「ものづくり」に貢献する会社でありたい」という企業理念のもと、製造現場の生産性向上・人手不足・品質の安定化・環境改善を実現させるため、手作業をなくすための機械(バリ取り機や板金洗浄機など)を開発・販売・メンテナンスしております。
オーセンテック編集部では、これまでの数多くのバリ取り機、洗浄機の導入事例・サポート経験を活かして、バリ取りや洗浄といった板金加工現場でなくてはならない工程・作業に関するお役立ち情報を発信しています。



